受賞の言葉
鶴屋南北戯曲賞
谷賢一
この度は身に余る栄誉、大変な賞を頂き、非常に喜ぶと同時に非常に恐縮しております。
主催者・関係者の皆様、選考委員の皆様、本当にありがとうございました。
今回受賞させて頂きました『1986年:メビウスの輪』は、確かに私が書いた作品ですが、
しかしどうにも独力で書いたとは思われず、私の故郷であり大きな悲劇に見舞われた福島という土地や、主人公のモデルとして取材させて頂いた岩本忠夫元双葉町長、
アイディアやインスピレーションを与えてくれた出演者とスタッフなどの力によって書かされた、書かせてもらった作品であるように思います。
ですから今回の受賞という栄誉も、私一人の物とせず、力を与えてくれたすべての共同作業者の頭上に輝く物として賜りたいと思います。そしてこの作品が歴史ある鶴屋南北戯曲賞を受賞することで、福島の物語がより広く長く読み継がれることを心から嬉しく思います。
本当にありがとうございました。